2018年11月10日
アメリカ イリノイ州シカゴ UICパビリオン

WBSS準々決勝兼、WBOクルーザー級暫定王座決定戦
○クシシュトフ・グロワッキ[判定3-0]マキシム・ヴィラソフ●
グロワッキが暫定王者となる

グロワツキVSヴィラソフ
勝利したグロワッキ(右)

 WBSS準々決勝のこの試合はWBOクルーザー級の暫定王座決定戦となった。ウシクがヘビー級進出の可能性があるためといった名分があるようだが、前回に比べて冴えないクルーザー級のWBSSを盛り上げるための口実に過ぎない気がしてならない。

 試合は序盤からグロワッキが得意の左を出し惜しみせずに積極的に攻めていく。ヴィラソフも押し切られまいと応戦。3回にヴィラソフは不運なダウンを宣告されてしまう。グロワッキの左を受けてダウンしたように見えたが、実際は全く当たっておらず体で押されてバランスを崩して尻もちをついた。

 中盤からはクリンチが多発する試合展開となる。お互い数発撃ってはクリンチ。しかしその中でもグロワッキの左が何度もヴィラソフの顔面とボディを打ち抜く。やはりグロワッキの左は強烈なようで、ヴィラソフは食らうたびに一瞬動きが止まり必ずクリンチで逃げる。

 終盤も引き続き似たような展開が続く。11回にグロワッキが強烈な左右のパンチを叩き込むシーンがあり、そこでもっと攻勢をかけることができていればKOもあったかもしれない。試合全体を通してグロワッキはヴィラソフのクリンチにかなり手を焼いた。

 判定は妥当かと。膠着する場面が目立つ試合ではあったが、グロワッキの方が強烈なパンチを何度も叩き込んでいたし、手数自体も勝っていた。ヴィラソフはグロワッキの左を警戒しすぎたか、まともに攻め込めず、グロワッキに対して有効だったパンチがほとんど無かった。
 グロワッキはKO勝利とはならなかったものの左はやはり強烈だ。次戦のKO劇に期待。