2019年10月18日
アメリカ ペンシルバニア州フィラデルフィア リアコウラスセンター

○IBF王者 アルツール・ベテルビエフ[10R TKO]WBC王者 オレクサンドル・グヴォジク●
グヴォジクがWBC王座2度目の防衛に失敗。ベテルビエフがIBF王座3度目の防衛に成功及び、WBC王座獲得。

ベテルビエフVSグヴォジク
持ち前の強打で攻めるベテルビエフ(左)

 無敗の世界王者同士の統一戦が実現。両者の実力は折り紙付き。コバレフのように多大な注目を浴びるわけではない両者だが、この試合はライトヘビー級頂上決戦といってもいいだろう。ベテルビエフがパワーでねじ伏せるか、グヴォジクが持ち前のテクニックで走りきるか。予想のしにくいハイレベルな一戦となる。

 序盤はグヴォジクが上手く距離を獲りながら手数で上回っている。ベテルビエフは若干スピードに手を焼いているが、返しで合わせるパンチがなかなか鋭く速いためグヴォジクに脅威となっている。

 中盤、少しでも距離が縮まるとベテルビエフの強打が猛威を振るう。クリーンヒットするたびにグヴォジクの動きが一瞬止まる。相打ちでもやはりベテルビエフが優位。グヴォジクはまだまだ動けているがダメージの影響が多少見え隠れしている。

 終盤、インファイトになり、ベテルビエフが優勢になってきた。グヴォジクはフットワークが鈍り、防御態勢をとるのに精いっぱいだ。迎えた10ラウンド、ベテルビエフが左右のフックを中心に攻勢をかけて立て続けにダウンを奪う。そして3度目にグヴォジクに膝を突かせたところでレフェリーがとめた。

 ベテルビエフが勝利し、2団体王座統一。ベテルビエフは手数で攻められても落ち着いて自分の強打を信じてダメージを与えていった。グヴォジクはダメージが重なってつかまったかたちだ。良い試合だったし、今回のベテルビエフは衰えを感じさせない素晴らしい戦いぶりだった。