2019年11月9日
アメリカ カリフォルニア州フレズノ チュクシャンシパーク

○王者 ジャメル・ヘリング[判定 3-0]挑戦者 ラモン・ローチ●
ヘリングが初防衛に成功。

ヘリングVSローチ
判定で勝利したヘリング(右)

 伊藤雅雪から王座を奪ったヘリングの初防衛戦。王者にはなったが依然として注目度は低い。対戦相手はこの階級のプロスペクトであるラモン・ローチ。ヘリングは初防衛戦にしてかなり厳しい戦いが予想される。

 序盤、ヘリングが得意な距離をキープしながら手を出している。ローチは隙を見ては打って出ているが、確実性を求めすぎなのか手数が少ない。

 中盤、ローチがヘリングの動きを読み始めたように見えたが、ヘリングも多彩なフェイントを織り交ぜて、簡単にローチのやりたいようにはさせない。相変わらず距離をキープし、割と静かな試合ではあるがペースもヘリングだろう。

 終盤、ローチが多少アグレッシブになるが、ヘリングがドンピシャのタイミングでカウンターを合わせてくるので、思い切ったことができない。だが、11ラウンド、ローチが詰めて強烈な右フックでヘリングを倒しかけた。ヘリングはそこではゴングに救われ、最終ラウンドもかわしきった。

 判定でヘリングの勝利。ローチがヘリングを超えていくと思っていたので、試合展開は予想と逆になった。ローチは大一番でこのパフォーマンスでは厳しい。ヘリングにも突出した強さは感じないが、距離感やペースの掴み方など、どこか形容しがたい巧さがある。